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麦っ子のキッチン

 

 自然の中で、自然と共に育っていこうと考える麦っ子では、食についても、同じように自然の中から生まれてくるものを大事にしたいと考えています。だから、季節や風土にあった露地野菜、農業や化学肥料に頼らず、太陽をたっぷり浴びて伸び、クスリのかわりに手間と心(愛情)をかけて育てられ運ばれてくる野菜や米、そうやってできた農産物をもとに作られた調味料を使って食事作りをしています。
 スーパーに一年中並んでいる夏野菜のトマトやきゅうりが冬の給食に登場することなどなければ、夏にゴボウやみかんを食べることはありません。時季によって揃う食材が違うので旬の野菜を中心に献立を組み立てます。
 春には子どもたちがお散歩で摘んでくる木の芽や野の草が天ぷらやおひたしになり、初夏には木の実をジャムにします。庭のあんず、プルーン、ひめりんご、ぶどう、梅(梅干しにして)などが、それぞれの季節に子どもの口に入ります。
 台所は季節にあわせ、自然のサイクルにそって育った自然の恵みを迎え入れています。ドロつき、虫付き、虫喰いの野菜たちは決してみんな同じかたちや大きさではなく、中には二股のものや大きく湾曲したものなど、のびのび自由に育ってきたなぁ・・・とほほえましく思いながら洗うことがあります。
 「野菜は切り方によって味が違うんだって」「アクも味のうち、旬のものは水にさらさず苦みも食べよう」「塩の加減ひとつで甘みもでる」・・・・・・・そんな、台所でかたりつがれた会話をしながら、素材の味をひきだせるように、切ったり調味したりしています。


 子どもたちは、天気がよければ外でたっぷり散歩をして、おなかを空かせて帰ってきます。空腹時には何でもおいしく、おなかいっぱい食べることの幸福感、満足感を味わい、それがありがたいと思う感謝の気持ちにつながると考えています。それは食事を作る人に対してだけでなく、作物を作ってくれる農家の人に、食べものを与えてくれるお日様に、水に土に鳥に・・・感謝の気持ちをもってもらいたい、そして大人も一緒に「ありがたいね」と共感できるようでありたいと思います。
 だから私たちは、子どもがごはんをもらう時の「ありがとう」とお皿をさげる時の「ごちそうさま」には結構厳しくつきあっています。


 ちょっと奥まっていて、一見保育と離れて見える台所ですが、ここでも子どもへの熱い想いをもったこだわりを持ってやっています。



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